harassment
ハラスメント対策をしていますか。

パワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)など、
特に仕事場で紛争が起きることの多い問題です。
企業もいろいろと対策を講じてはいるけれど、なかなか無くならない根の深い問題です。

複雑な紛争

ハラスメントは往々にして複雑な紛争になります。

まず、ハラスメントを受けた方は、大きな精神的苦痛を受けますし、
それが原因で仕事を続けられなくなったら経済的な損失も受けます。

業務上の疾病なのか、私傷病なのか、といった難しい議論も出てくるでしょう。

次に、ハラスメントが企業内で起きた場合には、企業が安全配慮義務違反を理由に損害賠償責任を追求される可能性もあります。
被害を受けた方とすれば、なぜハラスメントを止めてくれなかったんだ!
という思いがありますので、このような請求がされるのは心情的には理解できます。

また、ハラスメントをした方に対しても、当然損害賠償請求がされるでしょう。
ハラスメントを認めない場合には、事実自体、評価の争いになります。

企業としては、ハラスメントを受けた方が休職した場合、労務管理としてどのように処理すべきかという問題にも直面します。
(時には解雇という場面で紛争が生じることもあります。)

また、ハラスメントをした方に対してどのように懲戒すべきかという問題にも直面します。

企業は難しい問題の中でスタンスを決めなければなりません。

ハラスメントの問題の根本はどこにあるのか

ハラスメントはどのように防止したらいいのでしょうか。

ここでは企業側が講じる予防策ではなく、個人視点での予防策を考えてみます。
私の基本的な考えは、集団内での問題であっても、個人視点で考えるというものです。
いつも大事にしています。

パワーハラスメントもセクシャルハラスメントも、他人の人権を侵害する不法行為です。
仕事場で起きれば、働くという大変重要な生き方を奪う行為となり、被害は甚大になります。

ハラスメント問題の根本原因については、いろいろな考えがあると思います。
例えば、女性蔑視の風潮、高度経済成長期の名残、ゆとり世代とのギャップ等社会を観察して出てくる言葉を問題の根本だと捉える考え方もあり得ます。

私は、「緊張感の欠如」が根本原因だと考えています。

例えば、事務所での職員さんとの関係。打ち解けてはいますが、やはり緊張感を持って接しています。当然ながら職員さんにも緊張感を持って接してもらっています。

その根底には人と関われば紛争になる可能性が常に存在するという意識があります。

小学生のころ、仲の良い友達と喧嘩した経験はありませんか。

大人になり社会に出て人と関わるわけですから、当然緊張感が必要です。

内心と行動の区別をつけましょう

言葉は不適切かもしれませんが、内心で女性蔑視の考えを持っていようが、
ゆとり世代を馬鹿にする考えを持っていようが、高度経済成長期に
働き盛りだった上司を馬鹿にする考えを持っていようが、
他人と関わる以上、緊張感を持って対応していれば紛争にはなりません。

内心と行動は明確に区別して生活しなければなりません。

人に合わせる、組織に合わせるということとは違います。

自分で自分の行動に責任を持つ緊張感さえあれば良いのです。

企業側の講じる対策も個人視点で

ハラスメント被害の相談窓口を設置する、社員にハラスメントに関するセミナーに参加するよう義務づける、などなど。
企業側もハラスメント防止に対応しています。

対応を怠れば、事が起きたときに安全配慮義務違反を理由に損害賠償請求を受けるというリスクからも当然です。

そのような対策を検討する際に、「緊張感」をどうやって維持するかということを考えるべきではないでしょうか。

「こんなことをしたらハラスメントだよ」
「えー、それだったら俺なんてハラスメントだらけだよ」

なんてレベルの低い話をしていては、全く問題は解決しないと思います。

明確なルールで縛ろうとするだけではなく、組織内の空気を変えないといけない。そういう視点です。

抽象的に思えるかもしれませんが、そこをスルーしてルール作りだけを進めて安心するのでは何の意味もありません。

今日のおまけ

ハラスメント被害を受けて精神疾患に罹患したという場合、業務上の疾病に該当するか否かの判断は、休職制度の適用、労災適用、解雇制限などの多くの場面で法律的な取扱いに差異を生じさせます。

業務上外の判断が一つの分水嶺とも言えます。
業務に起因して精神疾患に罹患したかを認定しなければならないのです。

一助となるものとして、厚生労働省が、労災請求事案の場面について、「心理的負荷による精神障害等の業務上外に係る判断指針について」という認定基準を示しています。現時点での基準は、基発1226第1号(平成23年12月26日)です。WEB上でもPDFで公開されていますので、参考になると思います。